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スコッチグレインの修理について ~化粧ゴム・ヒール編~

2015/03/19 大阪店

こんにちは。スコッチグレイン大阪店です。
今回も前回に引き続き修理に関するお話をさせていただきます。

前回のお話しさせていただきましたオールソールと同様に
沢山のお持込み、お問い合わせをいただくのが化粧ゴム・ヒールの交換修理です。
踵のパーツは革底、合成底で仕様が異なりますので
それぞれの交換タイミングの目安をご説明させていただきます。

※前回のブログは下記のリンクからご参照ください。
~ オールソール編 ~

 

まずは革底の説明からさせていただきます。
革底の踵パーツは地面に接触する部分の「化粧ゴム」と
本底と化粧ゴムの間にある「積み上げ」の2つのパーツから構成されています。
修理では「化粧ゴム」のみの交換か
「化粧ゴム」と「積み上げ」両方の交換のどちらかになります。
最初に「化粧ゴム」のみの交換修理の画像をご覧ください。

こちらは「トップゴムレザーソール」をはじめ多くの革底に採用しております
スコッチグレインの代名詞ともいえる「スコッチ化粧」です。
今回のブログのトップ画像に新品状態を表示していますが
「ベンチマーク」という可愛らしいロゴが刻まれているのとは裏腹に
かなりの硬度があり耐摩耗性に優れているタフな素材となっております。
そして画像の靴の場合は化粧ゴムの減りが積み上げに到達するまで
わずか数ミリという状態でお持込みいただきました。

 


下から見てみると積み上げがまだ顔を出していないことが分かります。

 

続いて「積み上げ」を含む場合の交換修理の画像になります。

化粧ゴムが完全に削れてなくなっております。
積み上げは革でできておりますので積み上げ部分が削れ始めると
インクで染め上げられていない革の白っぽい断面が見えきます。

 


下から見ると黒い化粧ゴムがなくなり、
積み上げの断面が見えているのがハッキリと分かります。
積み上げが数ミリでも削れてしまうと積み上げの交換が
必要となり追加料金がかかりますのでご注意ください。

 


また積み上げの交換が必要となるケースとして土踏まず側の傷みがございます。
自転車をご利用いただくお客様に多く見られるのですが
ペダルに足をかけるときに積み上げを傷つけてしまうと
画像のように土踏まず側の積み上げが抉れてしまいます。
このような場合も積み上げからの交換が必要となりますのでご注意ください。

 

最後は合成底の説明となります。
合成底の踵パーツは革底の「化粧ゴム」と「積み上げ」からの構成と異なり、
本底から下は「ヒール」の1パーツで構成されております。
※一部の合成底には積み上げが含まれるものがございます。

修理では本底から下のヒールパーツが丸ごと交換となる訳ですが
どの程度の削れ具合で修理にお出しいただくのがお勧めか下記の画像をご覧ください。

こちらは「テクノソール」や「グリッパーテクノソール」に採用しております
「スコッチヒール」です。
化粧ゴムでご紹介した「スコッチ化粧」と酷似しておりますが
積み上げを含まないゴムヒールとなっております。
画像のようにヒールの最も削れている部分が
ヒール全体の半分ぐらいに差し掛かったときがお勧めです。
ちょうど革底でいう化粧ゴムが積み上げに到達する手前といったところでしょうか。

 

そして上記のような状態までくると底面からみた場合にも
目安となるものが見えてまいります。

画像では非常に分かり辛く申し訳ありませんが赤く囲っている部分から
ヒールを本底に打ち止めている釘が見えいます。
右側の針で突いたような小さな穴が徐々に削れると
左側のように釘の銀色の断面が見えてまいります。
この状態もヒールの削れが半分ぐらいに差し掛ると見受けられますので
ご使用いただいているスコッチグレインの靴も一度ご確認してください。

 

踵の削れは見栄えだけでなく履き心地にも大きく影響しますので
今回のブログを参考にしていただき定期的なチェックを行い
適正なタイミングで修理にお出しいただければと思います。
直営店(アウトレット店を含む8店舗)ではお預かりした靴を
スコッチグレイン専門修理工場「匠ジャパン」にお送りしております。
※積み上げなどの修理の可否については
 匠ジャパンの職人による判断が必要となる場合がございます。
 その為、店頭へお持込みいただいた当日でのご回答ができない場合があり、
 匠ジャパンからの回答までのお時間をいただきますのでご注意ください。

また修理は直営店にお持込みいただかなくても匠ジャパンへの
直送によってもお受けしております。
お住まいの地域からお手軽に純正修理を依頼できますのでお勧めしております。
修理依頼の流れにつきましては下記のサイトをご参照ください。
匠ジャパン公式ホームページ

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